2015年2月 5日
[73]常務理事・同巧会副理事長 武富明子さん(72)
人をひきつける作品を
高校2年時、萱沼貞石に師事したのがきっかけとなり、仮名書道のすばらしさに目覚めた。
師が重鎮のひとりであった書壇院展には毎年出品し、25歳で仮名部の最高賞をとったことも。その後、結婚と子育てで書道活動を十数年休んだが、40代で再開すると、展覧会では仮名でも大型作品が主流となっていた。今までやってきた細字仮名とは異なるところが多く、戸惑ったという。
産経国際書展には2回展から出品し、細字作品で準大賞を2度受賞、22回展では「大字仮名」の作品で会長賞に輝いた。2月2日まで国立新美術館で開催中の第31回産経国際書展新春展で展示されている作品「石川啄木の歌八首」(縦240×横180センチ)は許される最大寸法の大作。中央には大字仮名で二首が、カラフルな扇面と短冊の料紙(装飾された和紙)に細字仮名で書かれた三首が、左右それぞれに配置されている。
「こだわりを持って、人をひきつけられる作品を書きたい」と集大成をめざしての挑戦はこれからも続く。(松本篤幸)
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