2012年1月13日

[39]産経国際書会常務理事 青陽如雲(せいよう・じょうん)さん(77)

飲中八仙歌
「格調の高い字」心掛け
青陽如雲氏
「飲中八仙歌」を題材にした作品を25日から東京・六本木の国立新美術館で始まる第28回産経国際書展新春展に出品する。全文154文字を「ニハチ」(2尺×8尺)と呼ぶ紙6枚に書き込んだ大作だ。 こうした多字数書は「長い時間をかけて構図を決めるが、書き出せば一気に仕上げる」のが常だそうで、今回の大作も「1日で書き上げた」という。

大作に挑戦したのは、平成18年に古希を記念して開催した個展が最初。公募展や同人展では規定外となるような大作を書きたい一心で個展を開いたと、図録のあいさつ文にしたためている。以来、新春展でも毎年のようにニハチ3枚の大型作品を出品してきた。

愛媛県今治市の出身。小学4年生の時、「生涯の師」と仰ぐ書家で教師だった織田子鵬(しほう)氏と出会い、宿直室で書の手習いを始めた。子鵬氏の父である子青(しせい)氏が主宰する書塾にも通い、古典を徹底的に学んだ。
それが「今日の自分の書のスタイルにつながっている」と振り返り、「これまで心掛けてきたのはただ一点、格調の高い字を書くことだ」と強調する。(松本篤幸)