2014年4月18日
[64]専管理事・音羽会主宰 諸留大穹さん(64)
インパクトある「点の心象」
きれいな字を書きたい一心で書道を習うことになったが、建設会社に勤める夫の先輩でもあった師の大友九波氏は前衛書が専門だった。社宅の集会所が教室。いきなり展覧会に出品することになり、「何が良いかも分からぬまま『崖』と書いた」と当時を振り返る。
しかし、その東洋書芸院展では4年目の昭和59年に特別賞の院賞を受賞。産経国際書展では平成元年の第6回展から出品し、7年の第12回展でフジテレビ賞、翌年には文部大臣奨励賞、17回展で会長賞に輝いた。
「構想は時間をかけて練るが、作品は一瞬にして仕上がるので偶然の産物」と謙虚に語るが、この人の作品は強烈なインパクトを与える。前衛書ならではの「色」を大胆に使った「点の心象」シリーズ(9作)は、代表作の一つとなっている。
書作活動の傍らで、書道の普及にも力を入れるようになり、主宰する「音羽会」は今年で創立15周年を迎える。大きな字を子供たちに書かせるのが指導の方針。子供たちの心が気持ち良く明るくなり、元気になるのを強く感じるという。
28日から東京・文京シビックセンターで「音羽会書アート展VIII」が開かれる。(松本篤幸)
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