2014年7月22日

[67]専管理事・舟友会講師 青木錦舟さん(61)

天上にぎんどろの葉は...
大胆で自在な「散らし」
青木錦舟さん
 高校の書道講師だった仮名作家の故白井竹舟氏に22歳で師事した。竹舟氏は、「読めて分かって、心ひかれる書」を提唱しており、親しみやすい書風を指導された。

 写真の作品は俵万智さんの短歌「天上にぎんどろの葉は広がりて星のかたちに夜を切り取る」。星形の葉が覆い尽くす「ギンドロ」の大木を見上げたと思える情景が、一見すると絵のような構図になっている。

 大胆で自在な「散らし」は、この人独自の持ち味だ。素材は近代詩から選ぶことも多い。

 自らの指導は、まず生徒に素材を選ばせ、書いてきてもらうことから始まる。手本はそれからで、稚拙な部分を補い、個性を生かした本人の「顔」の出る作品へと昇華させる。

 27日から8月2日まで、東京交通会館地下1階のゴールドサロンで開催される「あんぱんの会書展」は竹舟氏が、稽古の後に毎回生徒たちに振る舞った「あんぱん」に由来。自ら中心となり、定期的に開催する教室の展覧会とは別に開催される。今回は26人が出品。

 「素材の奏でる情景が浮かぶような作品をこれからも目指したい」と抱負を語った。(松本篤幸)