2012年3月23日

[41]産経国際書会評議員 大八木雅山(がざん)さん(62)

書は「心の支え」来月、横浜で個展
大八木さん
反物に七言絶句と花鳥画を描いたものや、金箔(きんぱく)や古い墨を使ったものなど、普通の漢字書のほかに野心的な作品も含めて約30点を書き上げた。4月5日から10日まで、横浜・桜木町のギャラリー守玄斎で3年ぶり2回目となる個展「雅山展」を開くためだ。「堅い作品ばかりでなく、色々なバリエーションを取り入れたので、書をやらない方にも楽しんでもらえると思います」と語る。

書を始めたのは37歳。4カ月の闘病生活を余儀なくされて、1級の腕前を誇るスキーをはじめ一切のスポーツを禁じられたことがきっかけだ。大手工作機械メーカーの技能者として何度も表彰を受けるほど手先が器用とあって、めきめきと頭角を表し、平成14年には神奈川県を中心とする公募展「21世紀国際書展」(産経新聞社主催)で文部科学大臣賞に輝いた。

「書とは何か」と問われると、「心の支え」答える。14年前に一つ年上の愛妻を亡くして虚無感に襲われたとき、書に没頭することで乗り越えられたからだ。

「写真で見ても字の大きさがわかる作品」が究極の目標。師で産経国際書会名誉理事長の齋藤香坡(こうは)氏の書が参考になるという。(原誠)