産経国際書会

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弓の矢を放つ瞬間…「射」

 「しゃ」は「ゆみはなつ」「はっする」「あてる」などの意味いみがあります。金文きんぶんでは、「」とき、弓()に矢(←)で)をくわえたかたち。矢を放つ瞬間しゅんかんとらえています。篆書体てんしょたいになると、「」・「」と形をえ、弓は)に、矢はタテきに。手はまたは、すん)に変化へんかしました。これはあやまってもちいられたもので、現在げんざいいたっています。

 古代こだいの弓は儀礼用れいぎようとして用いられ、れいとくただしいひとえらんんで、射をおこなわせました。論語ろんごには、矢をまと命中めいちゅうさせることよりも、所作しょさ大事だいじである、と書かれています。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)