産経国際書会

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道を行き財貨を手に入れる…「得」

ひとには得手えて不得手ふえてがあります。そこで今回こんかいは「とく」をかんがえてみました。うえ甲骨文字こうこつもじは、「」(道路どうろ省略形しょうりゃくけいみちのわかれるところ)、「」(子安貝こやすがいかたち南方なんぼううみでしかはいらない貴重きちょうな貝で、古代こだいではおかねとして使つかわれていた)、「」(手のこと。「また」「すん」ともく)からり、「てき」+「ばい」+「ゆう」の会意かいい文字です。道をき、財貨ざいかのあるところでそれを手に入れてつことを「とく」とったのです。

手に入れる、という意味いみから、「得点とくてん」「所得しょとく」「獲得かくとく」、ものごとをにつける手段しゅだんとして、「会得えとく」「体得たいとく」「修得しゅうとく」、事情じじょう理解りかいする「納得なっとく」「得心とくしん」、自信じしんがありこころにかなう「得意とくい」などと使われるようになりました。

ひとつのことおこない、同時どうじふたつの利益りえきる「一挙両得いっきょりょうとく」は、一石二鳥いっせきにちょうとも言いますが、自分じぶん行為こういむくいを自身じしんける「自業自得じこうじとく」にはなりませんように!

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)