産経国際書会

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病気を治す草…「薬」

 漢字かんじ一文字いちもじ一文字には、先人せんじんたちのどんなおもいが込められているのか。成り立ちを探ることはとても楽しいですね。今回こんかいの漢字は「くすり」をげます。

 「薬」という文字は、くさかんむりのしたに「らく」ときます。むかしは、むらにシャーマンとばれる、神様かみさま精霊せいれい交信こうしんする能力のうりょくつとされるひとがいて、すずなどをってじゃ霊をはら病人びょうにんなおすことができるとされていました。きよらかな鈴のには病を祓うちからがあるとしんじられていたのです。

 うえ篆文てんぶんをみてください。「楽」は鈴をかかげて振るかたちをあらわしています。その「楽」に草かんむりをつけた「薬」は。文字どおやまいを治す「くすり」を意味いみしました。また、「病を治す草」という意味もあります。「薬局やっきょく」「やく品」「薬そう」「薬」などと使つかいます。

(産経国際書会常務理事、山本晴城)