産経国際書会

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筋道をはっきりさせる…「理」

 「」という文字もじ意味いみ調しらべてみると、「ことわり」「きめ」「すじ」「おさめる」などがあり、人名じんめいでは、「おさむ」「まさ」「みち」などとみます。

 「理」は、うえ篆文てんぶん楷書かいしょればかるように、おんあらわす「」と、意味を表す「たま」とがわせてできた形成せいけい文字です。

 古代中国こだいちゅうごく翡翠ひすいなどの宝石ほうせきは「ぎょく」とわれ珍重ちんちょうされました。「玉みがかざればひかりなし」ということわざがありますが、「玉」は、うつしく光るように磨きあげられ、そして表面ひょうめんあらわれた美しい文様もんよう文理ぶんり)のことを「理」と言ったのです。

 玉のととのった筋目すじめ(文様)は、物事ものごとの筋みちの意味に転用てんようされ、「じょう理」「どう理」という言葉ことばまれました。物事をあるべき姿すがたととのえる「かん理」「理」、身体しんたい基礎体力きそたいりょく保存ほぞんしたり、おいしい食物しょくもつつくったりする「りょう理」「調ちょう理」、かみをきれいに「理はつ」する、部屋を「せい理」する、などと使つかいます。ひと皮膚ひふにも「肌理きり」(きめこまかいこと)があるといい、人情じんじょうは「じょう理」ともいいます。「理」の意味を「理かい」できたでしょうか。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)