産経国際書会

　進学、進級の季節きせつです。学年がひとつ上がるだけでも、みなさんは、グッと背せが伸びたりするのを感じたりするのではないでしょうか。

　今回は、その「背」を取り上げます。身体の正面の反対、裏面りめんである背中のことですね。身長を意味する背丈せたけ、背そむく（背信はいしん）などの意味を持ちます。

　「背」は意味を持つ月（肉）と、音である北（ホク）からできています。北は後に音が「ハイ」に変化しています。背筋きん、背景けい、背後などの語例があります。

　北は二人の人が背を互いに向けて立つ姿すがたを表します。その形の中に意味があります。寒い季節でも体温を逃にがさないよう、体を丸くする姿です。

　もう暖あたたかくなりましたから、背筋を伸ばしてまっすぐ歩きましょう。格好かっこうがよく見えますよ。

（産経国際書会副理事長　髙橋照弘）