産経国際書会

「産経国際書会」公式ホームページです。

木に小鳥が群がるー「集」

 黄昏たそがれどき、一本の木にムクドリの大群たいぐんむらがって鳴いていました。駅前の煌々こうこうとしたライトの中でまだ昼間だとかん違いしているのかもしれません。

 ふと「集」という字が頭に浮かびました。「集」は、尾の短い小鳥を表す「隹」が木に3羽とまっている象形しょうけい文字です。古代人は1、2までは概念がいねんとしてとらえましたが、それ以上は「たくさん」という漠然ばくぜんとした認識にんしきをしました。よって3羽は「たくさんの」という意味になります。「隹」を3回書いて、「木」を書くと筆画ひっかくが多くて、時間がかかりすぎしまうので、簡略かんりゃく化されて現在の形に進化しました。

 楷書かいしょの「集」の筆順ひつじゅんをご存知ですか?

(産経国際書会常務理事 町山一祥)