産経国際書会

「産経国際書会」公式ホームページです。

大きな針で口の祈りを邪魔する「害」

 災は忘れたころに・・・備えあれば被も防げるよね。今日取り上げるのは「害」。旧字は「」で今の字と違って縦画が横画を貫いてる。これは大きな取っ手の付いた針で「」(祈りを収めた箱)を破り、祈りの効果を傷つけて、祈りの実現を邪魔する形(金文)なんだ。そこから「きずつける、じゃまする、そこなう」意味になり、そこなうと「わざわい」が生れるという訳。

 よく似た字の「舎」の旧字「舍」は、もう少し小さい針で刺す形(同じく突き抜ける)で、捨てるという意味で使われた。今の「害」「舎」は針の先が祈りに届かないから、害したり捨てたりがなく無害の字ともいえるね(笑)。

 さらに「割」は「害」を傷つけるどころか刀で割ってしまうことで、強調の行為(わる、さく、分断、そこなう)の意味になったすごい字だ。あとは紙面の都合で愛するけど気分をさないでね。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)