産経国際書会

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羽を閉じている形「羽」

 自由に空を飛べる羽が欲しいと思ったことはありませんか? 今回は「羽」という字を紹介しましょう。

 この字は、鳥や虫などが羽をそろえている姿をかたどった象形文字です。読み方もおおという意味の「宇」からきています。つまり、「羽」は飛ぶ姿を表した文字ではなく、止まって体を羽で覆っている姿を表しています。

 では、つばさを開いて飛ぼうとしている姿を表した字はあるのでしょうか? 「非」という字がそれに当たります。「非」は羽を広げ、左右に向き合う形の象形です。一対いっついの翼が向き合うことから否定の意味で使われるようになりました。「羽」と「非」は、それぞれが持っているイメージとは全く逆の使い方が存在しています。

(産経国際書会副理事長 町山一祥)