産経国際書会

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「形」はもともと鋳型から造られた美しい器物?

 何か新しいことを始める時、まずは道具などにこだわり、『形から入る』タイプの方もいらっしゃるでしょう。私もその一人ですが、今回はこの『形』についてみていきます。

 『形(ギョウ・ケイ)』は、物事の外側、形(かたち)を表す漢字ですね。漢字を分解すると、『开+彡』になります。开の元の字は『井』ですが、この字は『木で井の形に組んだ井戸のふち(井桁いげた)のデザイン』を表し、模様や形を表す『彡』が加わることで、『形』は木の枠を組んだ『鋳型いがたの外枠』となります。

 この鋳型に、溶かした金属を流し込んで造られた器物の『美しいかたち』が転じて、形の意味となりました。さらに『彡』は色や形の美しいことを示す記号のような意味を含み、のちに鋳物いもの以外の物や人の姿の意味にも使われるようになったとされています。

 このような成り立ちを踏まえると『形から入る』ことも悪くない気がしませんか。

(産経国際書会専管理事 鈴木暁昇)