産経国際書会

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「具」の成り立ちは両手で青銅製の器を捧げている様子?

 「抽象ちゅうしょう的で分かりにくい、もっと具体ぐたい的に話しなさい!」と指導されたことはありますか? 私は会社員時代によく上司に言われていました。今回はこの具体的の「具」について見ていきます。

 漢字を分解すると、「貝+廾(きょう)」になります。「廾」は右と左の手を合わせた様子です。一方、「貝」はかなえという肉や魚・穀物こくもつを煮たり炊いたりする青銅せいどう製の器を表しています。鼎は祖先そせんや神様をまつる際に供え物として生贄いけにえの肉を煮るために使われるようになり、両手で鼎をささげている様子から、「そなえる」という意味で使われるようになりました。のちに転じて、広く「器具全般」の意味も含まれました。

 このような成り立ちを踏まえると、物事を伝える際には、分かりやすく、「具体的」に伝えようと心掛けたいものです。

(産経国際書会専管理事 鈴木暁昇)