産経国際書会

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襟元から鳥(隹)が飛び立つ「奮」

 古代の人々は人が死ぬと霊魂は鳥の形になって衣服の襟元えりもとから抜け出ていくと信じたらしいよ。

 そこで今日は「奮」を見ていこう。金文ではそれがよくわかるんだ。

 上下左右を合わせたが衣、真ん中のが隹(鳥)で、下部のは鳥の足を留める道具を指すんだよ。前回の「難」と同じ「隹」が入ってるね。

 なので、字形の意味は「衣の中で足を留められた鳥がバタバタと羽ばたいている」ことを表すよ。衣は死者に着せたもので、隹は鳥の形をした死者の霊、それを死者の衣の中にとどめるために、代わりに鳥を衣の中に閉じ込めたんだね。当然、鳥は逃げようとものすごい勢いで羽ばたくよね。

 そこから鳥の羽ばたきのように「はばたく・ふるう・はげむ」意味になった。・奮起・奮発・奮闘・発奮・奮戦と使われるんだ。

 まだ暑い時だからあまり興しないでね。

 (産経国際書会副理事長 勝田晃拓)