産経国際書会

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『幾』は古代の噓発見器?

 新年おめでとうございます。今回は唱歌「お正月」にちなみまして「もういくつ寝るとお正月~」に出てくる「いく・き」の成り立ちについて見ていきます。

 「幾」は「もう少し」という様子を表す漢字です。「幾」を分解してみましょう。幾は「幺幺」+「ほこ」+「人」になります。「幺幺」は糸のもとの字を表し、「邪悪なものを取り払う糸飾り」の意味を含みます。「その糸飾りを付けた戈を用いて人を問いただす」ことを「幾」としたようです。「物事が起ころうとするかすかなきざしを察し、これを問い調べる」ので、「きざし」「かすか」の意味が含まれるようになりました。

 問い調べに「戈」が使われているとなると、噓は吐けず正直に答えざるを得なくなりそうですね。今年一年、正直に生きたいものです。

(産経国際書会専管理事 鈴木暁昇)