産経国際書会

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布を織る、たて糸を表す「経」よこ糸を表す「緯」

 地球儀を見ると、縦に経線けいせん、横に緯線いせんがあるよ。「経」の旧字は「經」で、右側の「けい」は金文で見ると、機織はたおりにたて糸をかけ渡し、下部に「工」の横木をつけて、糸をピンと張っている形。「糸」へんと組み合わさり、たて糸を指すよ。そこに一本ずつよこ糸を通して、布を織るんだ。「緯」の右側の「」は金文で見ると、「」(都市を取り囲む城壁)の上下を足「」が左右にめぐる形なので、それが織物のよこ糸を織る状態に似ているところから、よこ糸を指すよ。「経緯けいい」とはたて糸と横糸から織物が出来ることから「いきさつ・成り行き」の意味になったんだ。経緯の意味から経過(事の成り行き)、経験、経営などと使うね。さらに経(もとになる経糸の意味)から経典きょうてん(もとになる教え)、経文きょうもんもあるね。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)