産経国際書会

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長さの単位を表す文字「尺」

 今回は「尺」についてお話しします。

 「尺」は「シャク」「セキ」と読み、長さの単位を表す文字です。重さの単位を表す文字は「かん」で、日本ではかつては尺貫しゃっかんほうとメートル法を併用していました。しかし、尺貫法は昭和34(1959)年に廃止され、メートル法のみが使われるようになりました。ちなみに一尺は約30.3センチです。

 「尺」は篆書てんしょで「」と書きます。左のタテは親指、右のタテは残りの4本の指をまとめた形で、上方じょうほうの長いものは腕を表しています。定規じょうぎのない時代は親指と残りの指の間を伸縮しんしゅくさせ、長さを計ったのです。ちなみにこの指の動きによく似た虫を尺取虫しゃくとりむしといいます。

(産経国際書会理事長 髙橋照弘)