産経国際書会

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土砂の推積か、神聖な場所か?「在」

 今回は「在」について2つの説をみていきます。

 (1)「在」は川の流れが塞がった形()のさいに、さらに塞がりを強調する土の字を加えてできた文字です。土砂が積もって動かない様子を表しているのです。

 (2)もう一つは漢文学者の故・白川静博士説。神聖な場所であることを示した文字が「在」です。目印に見立てた十字形の木に、祝詞のりとを入れる器()を取り付けた形のさい)。これに、小さなまさかりの頭部の形)が添えられました。

 神聖な場所が存在するという認識が「ある」の意味となり、後に全てのものについて「ある」の意味になりました。

 悠久の歴史を持つ漢字は、後人の研究により諸説が生まれる例も少なくありません。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)