産経国際書会

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「朔」「肌」「服」の「月」

 今回の「さく」「肌」「服」は、いずれも「月」を含みますが、同じ意味で使われてはいません。

 古代文字では、「朔」の「」が空に浮かぶ月を表し、時間の意味で「朔日さくじつ」(陰暦の毎月1日)などと使われます。

 「肌」は「」で、元は「肉・」の変形です。体の一部の意味の「腹」「胃」「腰」と、空の「」とは書き分けて使います。「服」の「月」は舟「」で、「盤」の元字です。「盤」は儀礼で使う器を指し、ひざまずく人(せつ)を手(ゆう)で押さえつける形から「従う、行う、用いる」の意味となり、「服従」「服役」「敬服」と使います。

 現在の「月」はみな同じ形ですが、漢和辞典をよく見ると「」「にくづき」「」としっかり書き分けられています。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)