産経国際書会

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鳥の形を表す「隹」

 今回は「鳥」の形を表す文字「すい」を取りあげます。「隹」は尾の短い鳥を指し、部首名としては「フルトリ」と称します。「おおとり」のような神聖な鳥(=古代文字の篆書)とは区別されているようです。

 では、「隹」が使われている「せき」と「そう」を見ていきましょう。

 「隻」()は1羽の鳥()を手()に持つ形で、「1つ」の意味です。そこから「隻眼せきがん(=片目)」、「隻字せきじ(=1字)」、「隻手せきしゅ(=片方の手)」、「隻言せきげん(=片言)」、「隻日せきじつ(=奇数の日)」などと使われています。

 一方、「雙()」は「そう」の旧字で、2羽並んでいる鳥(しゅう)を手()に持つことで「2つ」の意味になります。「双眸そうぼう(=両眼)」、「双脚そうきゃく(=両足)」、「双袖そうしゅう(=左右の袖)」、「双涙そうるい(=両目の涙)」のように、2つで一対を成すものなどに使われます。