産経国際書会

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矢を携え誓い立てる様子「族」

 家族や民族など、「族」という漢字は、なんだか人が集まっているイメージがありますよね。今回は「族」の成り立ちの一説を見ていきます。

 「族」の字は、「えん」と「」で成り立っています。「㫃」は風になびく旗をかたどっており、人が従うべきシンボル、すなわち戦場でよろいの背中にさした旗指物はたさしものを意味しています。「矢」は文字通り矢の形。武器や誓約の道具として用いられました。

 これらのことから「族」の漢字は、旗の下に人々が集まり、矢を携えて誓いを立てる様子を表すようになったと考えられます。

 そこから、氏族や部族といった、血縁や地縁で結ばれた人々の集団を指す言葉として使われていたとされています。私たちはこの字が持つ奥深さや歴史を感じることができますね。

(産経国際書会専管理事 鈴木曉昇)