産経国際書会

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穀物を入れる袋の象形「良」

 良好、良心、良友、改良などと使われ、他よりも優れているなどの意味を持つ「良」の字を見ていきましょう。

 「良」は、穀物を入れるための長い袋をかたどったものとする説があります(古代文字の金文参照)。袋の上下に流し口を付けて、風を送ってもみ殻などを取り除き、実だけを残す道具でした。

 袋の役目は、穀物をより分け、良いものを選び出すことにあるため、価値判断する際に広く使われる「良い」や「優れている」の意味が出てきました。

 「よい」には「善」の字もあります。「善」の上部は神にささげる「羊」で、そこから神の存在を念頭に「よい」の意となりました。こちらは「善行」「善人」と使われるように、道徳にかなっているか、正しい行為かに焦点を当てています。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)