産経国際書会

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「損」はものを失う悲しみを表現

 「損」という漢字には、ちょっと残念なイメージがありますよね。そのイメージの源泉を成り立ちから見ていきましょう。

 「損」は2つのパーツに分解できます。

てへん。手で何かを持ったり、行うことを表しています。

いん。こちらは人が集まっている様子。または穴の開いた青銅器などの器の象形です。 

 これら2つを組み合わせることで、古代人は手で器を壊したり、中のものを失ったりする様子を思い浮かべたようです。後に「壊す」「失う」「減らす」といった意味に発展しました。

 大切なものを失った古代人が抱く悲しみが、「損」には込められているのです。

(産経国際書会専管理事 鈴木曉昇)

書・鈴木曉昇