産経国際書会

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「来」の成り立ち稲穂の形から

 「来」(らい)という漢字かんじには「くる」「かえる」「まねく」などの意味いみがありますが、本来ほんらいは「麦」(むぎ)をあらわす漢字でした。上の文字は「来」の甲骨文こうこつぶんです。麦のかたちをしている(象形しょうけい)ことがわかるでしょう。

 麦は紀元前きげんぜん中国ちゅうごくつたわりました。中国のふる書物しょもつによると、古代こだい王朝おうちょうしゅうというくには麦によってさかえたといいます。周の人々ひとびとは、麦をてんからのおくものだと考え、そこから「くる」という意味で使つかわれるようになりました。

 「麦」という漢字はあとまれ、「来」に「あし」という漢字の象形を加えたものです。ふゆ麦踏むぎふみをする光景こうけいかんでくるようです。

(書:産経国際書会副理事長 髙橋照弘)