「来」の成り立ち稲穂の形から
2015.11.1

「来」(らい)という漢字には「くる」「かえる」「まねく」などの意味がありますが、本来は「麦」(むぎ)を表す漢字でした。上の文字は「来」の甲骨文です。麦の穂の形をしている(象形)ことがわかるでしょう。
麦は紀元前に中国に伝わりました。中国の古い書物によると、古代王朝の周という国は麦によって栄えたといいます。周の人々は、麦を天からの贈り物だと考え、そこから「くる」という意味で使われるようになりました。
「麦」という漢字は後に生まれ、「来」に「足」という漢字の象形を加えたものです。冬に麦踏みをする光景が浮かんでくるようです。
(書:産経国際書会副理事長 髙橋照弘)
