産経国際書会

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あらい刺繡を加えた布…「希」

 「希」は「稀」が本字ほんじで、現在げんざいでは「希」として略りゃくして使用しようされています。「希」は「爻こう」と「巾きん」とを合あわせてできた文字もじ。「巾」は布ぬののきれ、「爻」は糸いとが交互こうごしている形かたちです。左ひだりの篆書てんしょはそれをよく表あらわしています。

 音おんはチ。衣ころもを紩(ちっ)する(縫ぬう)ことで、糸・針はりを用いて布に刺繡ししゅうすることを言いいます。

 「稀」は「疏そ(疎)」と同じ意味いみで、粗あらいい目めの刺繡を加くわえた布から、「粗い」「少すくない」「まばら」の意味になり、「祈き」に通つうじて「望のぞみ」「求もとめる」という意味になりました。熟語じゅくごに希少きしょう、希求ききゅう、希世きせいがあり、国名こくめいでギリシャは、「希臘」という漢字かんじをあてています。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)