産経国際書会

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切りそろえて進む…「前」

 「前方確認良ぜんぽうかくにんよし!後方こうほう確認良し!」。 通学つうがくのホームなどで駅員えきいんの人ひとたちがこんなふうに安全あんぜん確認をしているのを見みたことがありますか?

 左上ひだりうえの文字もじは、「前」の古代こだい文字(篆書てんしょ)です。分解ぶんかいすると「止」と、「舟」と「刂」が組み合わさってできているのがわかりますね。「止」は、「前まえへ進すすむ足あし」を表あらわし、「舟」は「渡わたし船ぶね」、「刂」は「刀」(切きりそろえる)を表しています。

 「前」の古ふるい字形じけいは、舟のへさきを揃そろえて前に進む様子ようすを表す「歬」(せん)でしたが、やがて「歬」に「刂(刀)」を添そえて、切りそろえる意味いみになりました。その後ご、「先さきに進む」の意味が強つよくなり、「切りそろえる」の意味は、「剪せん」などに受うけ継つがれています。夏なつから秋あきは旅行りょこうシーズン。不慣ふなれな土地とちこそ安全確認を心掛こころがけ、楽たのしい思おもい出でを作つくりましょう。

(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)