弓の矢を放つ瞬間…「射」
2018.10.18

「射」は「弓の矢を放つ」「発する」「あてる」などの意味があります。金文では、「
」と書き、弓(
)に矢(←)で手(
)を加えた形。矢を放つ瞬間を捉えています。篆書体になると、「
」・「
」と形を変え、弓は身(
)に、矢はタテ向きに。手は
または、寸(
)に変化しました。これは誤って用いられたもので、現在に至っています。
古代の弓は儀礼用として用いられ、礼・徳の正しい人を選んで、射を行わせました。論語には、矢を的に命中させることよりも、所作が大事である、と書かれています。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)
