産経国際書会

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北向きの窓から炊煙が昇る…「尚」

 猛暑もうしょって、すずしいかぜかんじられるようになりました。涼風りょうふうつかれをいやし、趣味しゅみかうあらたなちからまれてきます。

 そこで、今日きょうは「尚」というげます。趣味などが上品じょうひんな「高尚こうしょう」、たっとぶ「好尚こうしょう」などと使つかいますね。「尚」は、ひだり金文きんぶんをみてわかるように、「はち」と「しょう」からできた会意かいい文字もじです。きた向きの高窓たかまどから炊煙すいえんのぼることをあらわします。

 「向」は、北がわの高い窓で、「八」が炊煙のぐちです。ふゆになると、さむさをふせぐために窓をふさぎ、だんを取ります。空気くうきの追い出し口からけむりの出る様子ようすから、「うえ」「がる」「高い」などの意味いみとなったのです。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)