産経国際書会

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糸を切ることが「断」

 小学5年生で習う漢字に「だん」という字があります。 昭和の初めのごろ出版しゅっぱんされた漢和辞典じてんには 「斷」 と出ています。 この字は「」の中に糸が4つ。これは、より集めた糸、 右がわはそれをおのち切っている様子を表しています。よって「切りはなす」 から 「たつ」 という意味に使われるようになりました。

 今、 私たちが使っている「断」は昔とだいぶちがっていますね。糸が米に化けたわけではありません。 昔から文字は、簡単かんたんに書けるように合理化されていました。中国で1400年ほど前に書かれた石碑せきひにも 「断」 という字があります。

 日本では昭和24年に政府がむずかしい書き方をやめてみんなが当面の間、簡単に書ける字にしようということで「当用漢字」というものを決めました。この当用漢字は平成22年、今にいたる「常用じょうよう漢字」に引きがれています。

(産経国際書会常務理事 町山一祥)