神の裁きに負けたのが「法」
2021.5.2

古代中国の裁判は、羊に似た聖獣「解廌、獬廌(かいたい、かいち)」を、原告と被告がそれぞれ神に差し出し、真実を述べ、誓いをして裁きを受け、勝った方が「慶」、負けた方が「法」となることを、本年1月に説明しました。
今回は負けた「法」の話です。
法は、
(水の流れ)+
(大で人を正面から見た形)+
(キョ・祝詞=のりと=を入れる
=サイ=のフタを取った形)で、敗訴となった側の人は殺され、無効となった誓いの言葉を入れた
と、敗訴側の生贄(いけにえ)である廌と共に川に捨てられました。
これが「灋(ほう)」で、法の本字となり、のちに廌が省略され「法」となりました。
法令、民法、税法、司法など―「おきて」「さだめ」の意味や、「てだて」や「きまりごと」などの方法、用法、療法、作法など多くの言葉が生まれました。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
