産経国際書会

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神の裁きに負けたのが「法」

 古代中国の裁判さいばんは、羊に似た聖獣せいじゅう「解廌、獬廌(かいたい、かいち)」を、原告げんこく告がそれぞれ神にし出し、真実をべ、ちかいをしてさばきを受け、勝った方が「けい」、負けた方が「法」となることを、本年1月に説明しました。

 今回は負けた「法」の話です。

 法は、 (水の流れ)+ (大で人を正面から見た形)+ (キョ・祝詞=のりと=を入れる=サイ=のフタを取った形)で、敗訴はいそとなった側の人はころされ、無効むこうとなった誓いの言葉を入れたと、敗訴側の生贄(いけにえ)である廌と共に川にてられました。

 これが「灋(ほう)」で、法の本字となり、のちに廌が省略しょうりゃくされ「法」となりました。

 法令、民法、税法、司法など―「おきて」「さだめ」の意味や、「てだて」や「きまりごと」などの方法、用法、りょう法、作法など多くの言葉が生まれました。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)