上から押して「しるし」をつける
2021.5.23

小学校4年で習う漢字、「印」についてお話ししましょう。「印」という字は、二つの部分から成り立っています。左側は手を、右側は人がひざまずく形を表しています。これは人を手で押さえつけてひざまずかせる姿を描いた形です。そして後に上から押さえつけて「印をつける」または「はんこ」の意味に使われるようになりました。
「はんこ」は、5千年以上前にメソポタミアでおこり、インドを経て、中国・日本に伝来し、所有権を表したり、権威の象徴を表すために必要不可欠なものとなりました。昔は印の上につまみをつけ、そこに紐を通して常に携帯していました。やがてつまみは鈕(ボタン)と呼ばれ、いろいろな飾りに発展します。
最近は、コロナ禍の影響で印鑑を省略するようになりました。これも時代の流れですね。
(産経国際書会常務理事 町山一祥)
