産経国際書会

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形を見ると成り立ちが分かる…「高」

 高の字をよく見てみましょう。何となく「高い門の上に建物たてものがある」ように見えませんか。実は、このような形から「高い」を意味するとなったと考えられます。このように「高」は字形から意味を考えると分かりやすいと思いますが、下記のような神にまつわる説もあります。(筆順で最後に書く)口を抜かした部分(京)はアーチ状の「高大な凱旋がいせん門」を表します。一方、口は祝祷しゅくとう(神にいのる)を収めるうつわの形を表した字形とされています。その高大な凱旋門で祝祷を行うことから、「高楼こうろう(高く造った建物)」などの高いという意味が発生しました。また神様に近づくところでもあることから「高貴こうき(品位がある)」の意味も備わったとされます。

 ※楷書が完成された中国唐代(7世紀頃)では「髙」で書かれた楷書が多く見受けられるため、楷書は「髙」で揮毫きごうしました。なお「高」と「髙」との関係は新字体・旧字体の関係ではなく、常用漢字と異体字(標準に使用する以外の字体)の関係とされています。 

(産経国際書会理事 鈴木暁昇)