産経国際書会

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食べても余っている食物「余」

 鐘をつくと響きが残り、それを余韻よいんといいます。自分とは関係ない余所事よそごと余程よほど自信があるらしいなどと使う「余」は、常用漢字でもとの字を「餘」と書きます。

 「餘」の「食」は食べ物、「余」は満ちている意があるといわれ、説文解字せつもんかいじ(最古の字書)では、「あおきなり」と説いていて、食べても余っている食物のことを言い、あまる・あまりの意味になりました。

 前回紹介した「除」の「余」は把手とってのある大きい針(邪気じゃきを除去するための呪具じゅぐ)で、「餘」の「余」とは別の字であるといわれています。

 また、「余」は「予」と同音で、自分のことを示す「われ」の意味にも使われています。

 「余は満足じゃ」と、どこかで聞いたことありませんか?

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)