産経国際書会

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「商」の成り立ちは2つの説あり!?

 今回はことわざの「あきない三年」(商売で利益を上げるには3年かかる)などに使用される「商」について見ていきましょう。「商」には、実は大きく2つの説があります。

 一つの説は、漢字を分解すると、「へい(=台)」+「章を簡略かんりゃく化した書体」となり、高台を意味します。殷人いんじんが好んで高台に集落をつくり、「商」と自称し、周にほろぼされてからは、離散りさんした殷人が、みずからの作る工芸品などを全国に売り歩いたとのことから、「あきない」の意味が生じたとされました。

 もう一つの説は、漢字を分解すると「しん」+「丙」+「こう」になり、それぞれ「辛」は「罪人に刑罰として入れ墨をするときに使用する大きな針」、「丙」は「針をたてる台座」、「口」は「神の器」を表し、「刑罰の神意を問う、神にはかる」が元の意味だったとされております。

 「商い三年」、結果が出るまでは相応そうおうに時間がかかるもの。辛抱しんぼうづよくいきたいものです。

(産経国際書会専管理事 鈴木暁昇)