産経国際書会

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いろいろな色が集まり、入りまじる「雑」

 「雑草ざっそうという草はない」という名言が植物学者の牧野富太郎にはあるね。今回は「雑」を見るよ。

 旧字は「雜」。分解すると「衣」と「集」で、集の旧字はしゅうふるとりは鳥の形(金文)だから、木の上にたくさんの鳥がとまる形から集まる意味に。ちなみに隹に似たかんはミミズクで、かんはコウノトリを表すんだ。雑は「衣」と「集まる」の組み合わせで「多種の草木の染汁そめしるを集めて、さまざまな色の衣を作ること」を指し、多種の草木の色がまじることから「いろんな・こまかい」という雑音ざつおん雑貨ざっか雑務ざつむ雑役ざつえきや、「入りまじる」意味で雑居ざっきょ雑然ざつぜん混雑こんざつ複雑ふくざつなどと使われるよ。

 まだ早いけど、何だか雑煮ぞうにを食べたくなっちゃった(笑)。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)