産経国際書会

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糸束のもとを括った形の「素」

 あなたの顔、敵ですー。そこで、前回取り上げた「染」との関係で分かりやすいのがこの「素」だよ。元の字は真ん中の下部が「糸」で左右が「手」になっている(金文)。

 上部は糸の束をくくっていることを表している。糸の束を染める時、糸束を括って染料(色水)に浸すよね。すると括っていた部分には染料には染み込まずに元の白い糸のまま残るよ。その部分を「素」というんだ。

 そこから色がついていない、手を加えていない「元のまま・土台・しろ」の意味で素材そざい素質そしつ元素げんそ素性すじょうと使うよ。また、「何も加えない・混じらない・ありのまま」で素足すあし素手すで素直すなお素行そこう簡素かんそ質素しっそ」と用いるよ。

ほう、素人にしては晴らしい出来だね!とも使えるね。