産経国際書会

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「賢」はかしこく、霊力のある、盲目の人

 かしこくありたいと願う人は多いのではないでしょうか。今回は以前説明した「しん・じん」を含む漢字、「賢」について考えます。

 常用漢字にある「賢」は「けん」と「かい」からなり、本字は「臤」です。

 「臤」は、上方を見る大きな瞳「臣 ()」です。その瞳を手の指「又 ()」で刺し、傷ついた目は視力を奪われ、神に仕える盲人もうじん神瞽しんこ)となりました。

 それに古代では貴重な財宝とされていた「貝 ()」が加わります。神に仕える神瞽の中の才能豊かで財力もある人が賢者けんじゃとされ、「賢」はかしこく、霊力れいりょくのある盲目もうもくの人という意味になりました。

 ちなみに良妻りょうさい賢母けんぼは日本の熟語で、中国では賢妻良母というそうです。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)