産経国際書会

「産経国際書会」公式ホームページです。

「顔」は神に祈りを捧げる様子

 自分に似た顔の人が世の中に3人いると言われていますが、似た顔でもあなたの顔は世界で一つだけの顔です。今回は「顔」についてお話しします。

 「顔」は「ひこ」と「おおがい」との2字の漢字で作られる会意かいい兼形声文字です。「彦」は旧字体の「彥」で見ると、「文」は古代中国・いんの時代の風習で、朱色などで体に描いた入れ墨のことをいい、それにひたいを表す「厂」、色や形がそろっていることを表す「彡」が組み合わさり、美しい表情をした男性を意味します。「頁」は人の「顔」に関する漢字に使われる部首で、祖先を祭るびょうに参拝する姿を表すことから、「顔」は神に祈りをささげる様子を意味します。

 読みは音読みでは「ガン」。訓読みでは「かお」です。語例としては、「笑顔」「顔面がんめん」「顔色かおいろ」「顔料がんりょう」「童顔どうがん」などです。

 いろいろな「顔」がありますが、皆さん、おだやかな優しい「顔」になれるよう、つとめましょうね。

(産経国際書会副理事長 山本晴城)