産経国際書会

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多くの口(サイ)を木に結び付け手で「操」る  口三つ 神が天から「臨」み見る

 前回に続いて、口を持つ漢字を取り上げます。は「操」。扌(手)・品・木から成り立ち、多くの(口・祈りの器)を付けた木を手で持って願いがかなうよう祈る形だよ。しっかり持ってあやつるので、(もつ・とる・あやつる)の意味になるよ。「操作・操縦そうじゅう・操業」と使うね。訓読みでは(みさお)と読み、一心に祈ることを指し「情操・節操」と用いる。

 次の「臨」の金文「」は臥・品の組み合わせで、「臥」は人がうつむいて()、大きな目(臣)で下方を見る形だね。「品」はを並べた形。古代人は祈りをささげる様子を神様が見下ろすと考えた。それで(のぞむ・見下ろす)の意味で「臨海・君臨くんりん臨床りんしょう」と使うよ。出産間近な「臨月りんげつ」にも、祈りの形が入っているんだね。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)