産経国際書会

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羊をまとめる人「群」

 孔子の言葉に「群而不党」(群れて党せず)という言葉があります。多くの人と仲良くはするが、徒党を組まないという意味です。「党」の総裁選、代表選が日々報道されていますが、今回は「群」の方を紹介しましょう。

 「群」は棒を持った人が羊をまとめている様子を表しています。これが転じて「むれる」という意味で使われるようになりました。

 篆書の形を見ると、「羊」を「君」が取り囲むように縦長につくられています。よって、長い間、「群」はとても縦長の字でした。楷書が完成する頃にようやく現在の形になりましたが、それまでの古い慣習を受け、両者混合の時代が続きます。

 古いものから、新しいものに変わるには時間がかかります。政治も一緒ですかね。

(産経国際書会副理事長 町山一祥)