産経国際書会

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ナイフ+「一」+「人」=身分の低さ 「低」

 「底」上げ、「低」賃金、「抵」抗…。今回は新聞頻出漢字の一部を構成する「てい」のある字を見ていきます。

 「氐」は「氏」の下に「一」を加えたものです。「氏」は先祖を祭る際に供える肉を切るナイフの象形。「一」は肉を削って平らになった「底辺」を意味します。
 「氐」に人を示すにんべんを加えた「低」は、身分の低さや姿勢を低くする様子を示し、「低俗」「低迷」「低温」などの用例があります。

 一方、「氐」に屋根の意の广まだれが付いた「底」は、家の底の部分が平らな状態を指します。そこから一番下や奥の意味が出てきて、「底流」「根底」「徹底」などと使われています。

 ちなみに「抵」は「氐」に手の動きを示すてへんを加えた字で、抵抗や排除の意を示すようになりました。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)