産経国際書会

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いけにえの犬を燃やす様子「燃」

 日差しが強くなってきました。夏の燃えるような暑さもまもなくですね。今回は「燃」を取りあげましょう。

 もともとは「火偏ひへん」のない「然」が「燃える」という意味で使われていました。

 構成を調べてみると、犬の象形である「犬」、肉を表す部首の「にくづき」、その両者を合わせた「ぜん」(犬の肉の意)が、「然」の上部に配置されています。その下には、火が激しく燃える様子を表す部首の「れんが」があります。古代中国では、犬がいけにえとして供えられたようです。

 その後、「然」は逆接の接続詞などとして文章で使われるようになりました。燃えるの意味では火偏を加えるようになりました。

 ときに漢字や書道の勉強に「燃」えるのも楽しいですよ。

(産経国際書会副理事長 山本晴城)

書・山本晴城