産経国際書会

「産経国際書会」公式ホームページです。

巫女を殴り敵の呪いを削ぐ行為の「微」

 「微」と「徴」…両者の特徴が微妙に似ているのは、双方よく似た行為を表す字だからです。異なる部分「こう」と「てい」に注目し、まず「微」を見てみましょう。

 金文の「兀」は結ばない長髪の巫女みこを横から見た姿で、「山」(髪飾り)をつけたのが「」の形。敵方の巫女を「ぼく」(手で持つ枝)で殴って、敵の呪力を衰えさせる行為の形が「」です。「てき」は道路の意味で、「微」は敵との境界通路で「」を行うことを指し、なくす・そぐ・弱めるの意味から「微細」「微弱」などと使われます。

 さらに、かすか・ほのか・ひそかの意味で「微小」「軽微」「微笑」と使用されるようになりました。

 次回は「徴」を取り上げます。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)

書・勝田晃拓