第35回記念産経国際書展 ごあいさつ
産経国際書展は、おかげさまで、昭和59年の第1回展以来35回目の記念の展覧会を迎えることができました。長きにわたり、本展をお支え下さった出品者各位、社中の皆様のお蔭と、心より感謝を申し上げます。
産経国際書会は、昭和59年に、当時の書壇の在り方に疑問を持つ書家の先生方が中心となり設立され ました。書芸術の国際交流を通じて世界各国との友好親善を深めあい、世界平和に寄与するとともに、 書技、創作活動の一層の向上、発展に期することを目指し、現在も自由闊達な雰囲気の中、若手から役員 までが切磋琢磨しながら成長を続けています。
本会の基本理念は、Clean=清潔、Clear=明朗、Creative=創造、Character=品格の4Cであり、なかでもクリーンで公明正大な審査、創造力豊かな作品の多さにつきましては、各方面から高い評価を頂き、大いに自信を持っているところです。
記念展となる今年は、高円宮賞、内閣総理大臣賞をはじめとする従来の特別賞に加え、理事以上の役員を除く審査会員、無鑑査会員、会友の各部門で、それぞれトップの作品を決める「第35回記念賞」を設けました。出品点数は、昨年から430点増加して6,351点となり、その激戦を勝ちぬいた作品は、特選、秀作、入選に至るまで個性的で素晴らしい内容のものが並びました。ご高覧いただければ幸いです。
特別企画では、「『書』で結ぶ世界と日本:『愛』と『友』」を開催いたします。米国、英国、ドイツ、フランスをはじめとする16カ国の大使と大使に準じる方々に、毛筆と半紙を使い、それぞれのお国の言葉で、「愛」または「友」を意味する言葉を書いていただいたものです。揮毫にあたっては、各国大使館に弊会書家が伺いご指導しました。皆さま、書という日本固有の文化への関心が高く、指導自体が素晴らしい国際親善となりました。異なる文化のエッセンスが詰まった「文化の融合」といえる作品をぜひお楽しみください。
ゆかりの文化人による書の特別展示は、片岡鶴太郎、松村雄基、藤田三保子、岡部まりの各氏の作品を展示します。
今年30回目となる「2018産経ジュニア書道コンクール」も同じ東京都美術館で同時に開催します。今年は海外及び日本全国から約9,400点が出品されています。
この第35回記念展は、次の5年、10年に向けた新たな始まりです。産経国際書会は、世界のため、日本のために何ができるかを考え、さらに邁進していきます。
最後になりましたが、本展の開催にあたりご協力賜りました皆様に深く感謝申し上げますとともに、出品者各位のご健勝と益々のご健筆をお祈りいたします。
産経国際書会理事長
風岡 五城
第35回記念産経国際書展の開幕を迎えました。本年も公務ご多端の折にもかかわりませず、高円宮妃殿下にはご来臨の栄誉を賜り贈賞式、祝賀会を挙行できますこと、産経国際書会会員一同、衷心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
出品者の皆様におかれましては公正かつ厳しい審査を突破して入賞・入選を果たされました。心からお祝いを申し上げます。今年は出品数が増加に転じ、記念展にふさわしく盛大に開催できますこと、関係各位のご支援、ご協力の賜物と厚くお礼を申し上げます。
35回展の記念行事として、産経国際書会の名にふさわしい二つの事業を行います。まず一つは、「書で結ぶ世界と日本」です。各国の大使館に出向いて「愛」または「友」などの言葉を毛筆で書いていただきました。16カ国の協力を得て本展会場に特陳いたします。
二つめは、「2018日本台湾交流書道展」の開催です。期日は10月27日から11月4日まで、会場は国立國父紀念館。産経国際書会からは役員、審査会員の作品約220点、台湾からは約30点、合わせて約250点の展観となります。台湾との交流は平成12年の「産経国際書会代表作家台湾展」以来18年ぶりです。種々の交流事業を通じて友好親善を深めます。
本展会期中にはいくつかのイベントも開催されます。初日の受賞者によるギャラリートークをはじめ、座談会、揮毫会が予定されています。こちらの方も作品の鑑賞とあわせて多数の方々のご参加をいただければ幸いです。
東京展の後には9月に東北展(せんだいメディアテーク)、瀬戸内展(広島県立美術館)、11月に中部展(名古屋電気文化会館)、関西展(大阪市立美術館)と続きます。各地方展においても多くの方々にご鑑賞いただけることを願っています。