第36回産経国際書展 ごあいさつ
産経国際書展は、昭和59年から毎年開催し、今年で第36回展を迎えることとなりました。書芸術の国際交流を通じて世界各国との友好親善を深めあい、世界平和に寄与するとともに、書技、創作活動の一層の向上、発展に期することを目指し、現在も自由闊達な雰囲気の中、若手から役員までが切磋琢磨しながら成長を続けています。
今年も高円宮賞、内閣総理大臣賞をはじめとする特別賞から特選、秀作、入選に至るまで個性的で素晴らしい内容のものが選ばれました。また高校生以上から23歳までが出品できるU23部門には荒削りながらも将来性を感じさせる作品が並びます。ここ数年減少気味だった出品点数は、4年前とほぼ同数の6,157点まで回復しています。
また、昨年開催して好評だった「『書』で結ぶ世界と日本」も実施。今年のテーマは「夢」と「家族」、世界の言葉が踊ります。そして、韓国著名書家の作品4点を特別招待作品として陳列します。ハングルと漢字のコラボをご堪能下さい。ゆかりの文化人による書の特別展示は、中山秀征氏、松村雄基氏、藤田三保子氏、岡部まり氏の作品です。
少子高齢化により書道人口の高齢化は避けられないところです。高齢者とジュニアが一緒に書に“楽しむ“環境作りに取り組み、日本の伝統文化である書道人口を増やし、盛り上げて行きたいと産経国際書会は考えています。そのため、一般成人の書道展とジュニアの書道コンクールを同時期、同会場で行うことでお互いに交流し刺激しあうという試みに挑戦しています。「産経ジュニア書道コンクール」との同期日開催も今年で3回目となります。本コンクールは毎年出品数が増加し、今年は日本全国から約9500点が出品されています。高校生の中には、本展のU23部門にチャレンジする生徒も多く、ジュニア書道コンクールから本展U23部門、そして本展へと続く、若い力の流れを感じていただければ幸いです。
最後になりましたが、本展の開催にあたりご協力賜りました皆様に深く感謝申し上げます。また、出品者各位のご健勝と益々のご健筆をお祈りいたします。
令和元年7月
産経国際書会理事長
風岡 五城
第36回産経国際書展の開幕を迎えました。本年も公務ご多端の折にもかかわりませず、高円宮妃殿下にはご来臨の栄誉を賜り贈賞式、祝賀会を挙行できますこと、産経国際書会会員一同、衷心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
出品者の皆様におかれましては4C(Clean Clear Creative Character)の理念の下に行われた公正かつ厳しい審査を突破して入賞・入選を果たされました。心からお祝いを申し上げます。
今年は新元号「令和」となって初の展覧となります。高円宮妃殿下には80歳以上の会員を対象とする特別色紙展に対し例年お題を下賜いただいておりますが、今回のお題は「徳・雅」の二文字です。今上天皇皇后両陛下のご即位をお祝いするに相応しいお題で、思いを込めた作品の数々をご覧いただければ幸いです。
国際交流関連では、35回記念事業として行われました「書で結ぶ世界と日本」の企画を今年も継続して行います。各国の大使、ご関係の皆様に「夢」または「家族」と書いてもらい、それを展示するものです。今年は中国、インドネシア、イスラエル、イタリア、モンゴル、ミャンマー、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、スリランカ、トルコ、ベトナムの12の国々にご協力をいただきました。
本展会期中にはいくつかのイベントも開催されます。初日には揮毫会、31日にはギャラリートークが予定されています。こちらの方も作品の鑑賞とあわせて多数の方々のご参加をいただければ幸いです。
東京展の後は8月に東北展(せんだいメディアテークギャラリー)、9月に瀬戸内展(広島県立美術館)、11月に中部展(愛知県美術館ギャラリー)、関西展(大阪市立美術館)と続きます。各地方展においても多くの方々にご鑑賞いただけることを願っています。