産経国際書会

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祖先の霊に肉を供えることからできた「間」

 「門」のつくはたくさんありますが、今回こんかい次回じかいはよくつかう字、「間」と「聞」をかんがえます。最初さいしょは「間」です。

 「門」はすと両方りょうほうひらくとびらかたち)からできた象形文字しょうけいもじです。「門」には、うちそと区別くべつする役目やくめがあります。祖先そせんれいをまつっている廟(みたまや)は、神聖しんせい場所ばしょで、人々ひとびとはその門中もんちゅうにくそなえ、やすらかにしずかであることをいのりました。

 みたまやの門に肉を供えることから「閒()」という字がちました。神聖な場所と俗界ぞくかいの「間(あいだ)」、「ま」、「すきま」などの意味いみになりました。「閒」は、いまは略字りゃくじの「間」と書いています。

 門のすきまから月光げっこうがさしこむ、というせつもあり、その場合の「月」は「おつきさま」をしますが、かみへの祈りをきには考えられない古代人こだいじん姿すがたから、「閒」の「月」は、「肉」をあらわしたもの、という考えかたいま主流しゅりゅうのようです。

(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)