産経国際書会

「産経国際書会」公式ホームページです。

「~ではない」という意味…「不」

 お花見はなみ季節きせつ満開まんかいさくら綺麗きれいだけれど、すぐってしまうのが少し残念ざんねんだね。花がしおれて花弁かべんが散ると、土台どだいの「がく(へた)」と「お(め)しべ」がのこるよね。

 今回こんかいはそんな花のかたちからできた「不」の文字もじをとりあげよう。ひだり古代こだい文字(甲骨こうこつ文字)をると、花の形がよくわかるよね。

 ところが、「不」は、むかしから花の「萼」の意味いみ使つかわれたことはほとんどないんだ。思議しぎだよね。

 わるいイメージの言葉ことばとしては、「不安」「不幸」「不調」など、いイメージの言葉では、「不屈」「不倒」「不動」など、いずれも「~ではない」というしの意味をすんだ。

 一方いっぽう、「不」のしたに「口」をくわえた「否」も、「~にあらず」という否定ひていの意味があり、「否認」「否決」「安否」などと使うんだ。

 さて、ここまで、なにかご明なてんはありますか?

(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)