産経国際書会

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穀物の1回の実り…「年」

 9がつになると、手紙てがみ挨拶あいさつは、「初秋しょしゅう」「涼月りょうげつ」などときます。とはいえ、あつはまだまだつづき、暑さがれば、「みのりのあき」となります。

 きょうげる「年」は、「みのり」をあらわしているのです。

 ひだり篆書体てんしょたいをみると、「年」は「」と「せん」からなる文字もじとわかります。「禾」はいねが実ってれたかたち。「千」は「ひと」と「いち」の合字ごうじかずおおいことを意味いみします。穀物こくもつは年1かいをつけることから、「年」とは、「1回の実り」を意味していたのです。1年は「1回の実り」、2年は「2回の実り」と、のち年数ねんすうかぞえるのに使用しようされました。

 まもなく、秋の味覚みかくたのしむ季節きせつがやってきますね。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)